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第1回 ハードルの低さとトンネルの長さ


もうずいぶん長い付き合いになるけど、新宿のぼくのオフィスで酒を飲みながらいろんな音源を流しつつベースのこと、ベーシストのこと、音楽のことを語ろう、という新企画です。改めてよろしくです。


なんか緊張するけど、がんばります。👍


初心者とか、これからベースを始めようとする人でも楽しめる連載になるといいよね。ぼくらは喋るだけだけど。笑


今更だけど、この3人はベーシストとしての立ち位置というか、趣味志向がぜんぜん違ってるんだよね。ぼくはオリジナルバンド(GISEIFLYS)のリーダーで、作詞作曲も担当してて。いまバンドはメンバーの組み換えがあったりしてバタバタしてるけど、一生続けるバンドをやってます。


ぼくも固定のオリジナルバンドをやってる(comprehend、HAkObuNe)。自主企画やワンマンの企画も入ってたりして、これからもっといろんな人に知って欲しいと思ってます。作詞作曲は一応担当外。場合によっては楽曲全体のコード進行やバンドアレンジ案を持っていくことはあるけど、メロディとかはボーカルに任せてるかんじ。あとは、セミプロのアーティストのサポートや、他にも色んな現場で演奏させてもらってる。


ぼくは固定のオリジナルバンドはやってない。知り合いがバンドを立ち上げる時のサポートはやったりしてるけど、正規メンバーとして加入することはなかったし、これからもそのつもりはないです。作詞作曲もしない。あくまでいろんなところを渡り歩いてるサポートベーシストってかんじかな。


みんなそれなりにいろんなところで経験を積んで活躍してるけど、ベース、やっててどう?


音楽を続けるにあたって、ベースでよかったな、と思うことは本当に多いね。というか、ベースじゃなかったら、ここまで音楽にのめり込むこともなかっただろうし、バンドも続けられなかったかも知れない。


具体的には、どこがそんなに魅力だったんだろう?


やっぱり、最初のハードルが低くて、次のトンネルが長い、っていうところがいちばんとっつきやすかったんだと思う。ギターやピアノやドラムなんかは、初めて触れてから上達するまでにものすごい時間とエネルギーが必要になるでしょ。人前でできるようになるまでに、いくつもハードルがある。そのハードルを越えられなくて挫折するひとも、きっとたくさんいると思う。けどベースは、とりあえず1曲がんばってみる、ということなら、そこまで難易度も高くないことが多いから。


それはすっごいわかる。ルート弾きだけの曲とかなら、マスターするまでにそんなに時間はかからないから。ベースは基本的には単音楽器なんで、コードを覚える必要もないし。そういう意味で、とっつきやすかったのかな。


確かに、バンドアンサンブルに参加するまでのハードルの低さ、っていう意味では、他の楽器より有利な部分はあるよね。そこからが長いんだけど。


そう、そこからは沼(笑)。いろんな曲をプレイする中で、ベースラインとコードの関係、ベースラインとメロディラインの関係を考えるようになったりすると、もう抜けられません。


好きなアーティストのコピーバンドを長く続けたりすると、さらにその辺は深く掘り下げることになる。ぼくにとってはそれが L’Arc~en~CielだったりTHE BACK HORNだったりするんだけど。


その辺のことはまたいつかじっくり話そう。俺だってTHE YELLOW MONKEYの廣瀬洋一さんのこと、メチャメチャしゃべりたいもん(笑)。


まあ、とにかく、ハードルの低さとトンネルの長さ、っていうのが、初心者にとってのベースの魅力だし、ベースを知ると、音楽をもっと深く知ることにもなると思う。興味があったらぜひプレイして欲しいです。


そんな中で、ひとつのバンド、ひとりのベーシストを掘り下げる、っていうことにつながるといいかな。タロウさんがL’Arc~en~CielとかTHE BACK HORN、たつさんがTHE YELLOW MONKEYにハマったような経験は、またほかのアーティストの楽曲をプレイするときにも活きてくるし、オリジナル曲をやるときにも役立つはずだから。いずれにせよ、長く付き合える楽器だと思うので、楽しんでプレイして欲しいです。

今回のまとめ

ベースはとっつきやすく、長く付き合える楽器。ぜひ手に取ってみよう!