009 基本構成#03:Cメロは描き切れ!

さて、Aメロ、Bメロときて、最後はCメロです。ポイントはたったひとつ。いちばん伝えたいメッセージをおもいっきり書き切ることです。

そうさ 僕らは世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい

世界に一つだけの花/SMAP(作詞:槇原敬之)

あなたの夢をあきらめないで 熱く生きる瞳が好きだわ
負けないように 悔やまぬように あなたらしく輝いてね

夢をあきらめないで/岡村孝子(作詞:岡村孝子)

ほら あなたにとって大事な人ほどすぐそばにいるの
ただあなたにだけ届いて欲しい 響け恋の歌

小さな恋のうた/モンゴル800(作詞:Kiyosaku Uezu)

いくつか挙げてみましたが、どうでしょう。何か気づくことはありませんか。

「なんていうか…特別な言い回しとか、言葉選びのセンスが光るっていうかんじよりは、むしろ当たり前の、素朴な言葉づかいで、強いメッセージを発しているような気が…」

相変わらず鋭いヨシオくん。またまた、100点満点の答えです。

特に最初のうちは、Cメロではあまり言い回しを工夫したりせずに、できるだけストレートに表現したほうがいいと思います。誰にでも伝わる言葉で、伝えたいままのメッセージを言葉にする。それがいちばんCメロらしい表現になるはずです。特にロックでは、余計な飾りのない言葉をマイクにかぶりついて叫ぶ、それが醍醐味のひとつであるともいえるでしょう。わかりやすい言葉を、あまり小手先の表現を気にしないで、おもいっきり訴えかけるのが、Cメロのあるべき姿です。

とはいえ、言い回しを工夫したりしないと、どの曲もだいたい同じ描写になってしまうのではないか、という疑問もあるでしょう。前々回、Aメロの導入部分は事実描写が適している、といいました。事実描写は、風景や景色、感情、記憶など、いろんな切り口があり得るので、あまり他の作品と被ることはないはずです。けれど、大きなメッセージをストレートに伝えようとすれば、どの作品も言葉が似てきてしまうかも知れません。

個人的には、最初のうちはそれでいいと思います。最終的には、同じようなメッセージ、主題であっても、いろんなアプローチで表現できるようになったほうがいいに決まっています。けれどそれは、自分の作風が固まったらまた考えればいいこと。特に初心者なら、細かいことを気にせず、とにかく最後まで書ききる、というのが、成長のポイントです。