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第3回 ジャズベースとプレシジョンベースの憧憬 前編


さて、今回は、パッシブベースの両巨頭、ジャズベースとプレシジョンベースについて語る会です。


基本ですね。長くベースをやっていれば、必ず触ったことはあるはず。


こないだ、お世話になってる楽器屋さんに聞いたんだけど、けっこう衝撃的な話で。


なになに、どうしました?


プレべが最近、ほとんど売れないらしくて。その店は初心者から上級者までお客さんが幅広く訪れるんだけど、最近の売れ行きは、ジャズベ40%、アクティブ40%、PJタイプ15%、プレべは5%以下だそうで。100本のうち5本くらい、とのことでした。


わわわ、確かに衝撃的。

ステージで白いプレベを下げてロックしまくるタロウくん


んー、でもわからなくはない。最近ほんとに見ないもんね。東京バンド研究会とかでも、1人もいないんじゃないかな。


ライブハウスでも最近はほとんど見たことないね。


どうしてこんなに敬遠されることになっちゃったんだろう。


やっぱり、初心者向けじゃないのは確かだよね。指板が広くて弾きにくいし、重いし、ベース本体だけで音をつくりにくいし。


いきなり痛恨の一撃。いや三撃。。。


でもまあそれは事実でしょ。実際、友達が新しくベース始めるんだけど、って相談してきたら、プレべ勧める?


う、うーん。。


やっぱりジャズべから勧めるかもね。軽いことが多いし、ネックも握り込めるから運指も安定しやすいし、音作りのバリエーションも多い。


でも、ベース遍歴をみると、たつさんはジャズベースの前にプレシジョンベースだったんだね。


そうなんだよね。頂きものだったんだけど。あんまり自分の中でベースとの付き合い方が固まってない頃に弾いてた。


じゃあ、違和感みたいなのはそんなになかったんだ?


なかったね。そういうもんだと思って弾いてたから。むしろ、俺たちの時代ってまだシド・ヴィシャス※(SEX PISTOLS)に憧れてた年代の人たちが楽器店やらライブハウスやらにたくさんいたから、プレべもけっこう市民権があったと思う。自分がベースを持って、初めてオリジナルバンドをやって、コードとかスケールとかを勉強してたときにメインだったから。人気がなくなるのは悲しいわ。

※シド・ヴィシャス
世界的なパンクロックムーヴメントを先導した、SEX PISTOLSのベーシスト。ほとんどベースに関する知識がないままでバンドに加入し、低く構えた白いプレベを荒々しくかき鳴らすスタイルに、世界中の若者が熱狂した。1979年、恋人を殺害し、同日に薬物の多量摂取により、21歳の若さで夭折。レジェンドとなった。

今回のまとめ

プレベは不人気らしい。けど、いいもんです。