いまの話。

というわけでそこそこ長く続いている東京バンド研究会ですが、2020年3月以降は開催していません。いうまでもなく、新型コロナウイルスの影響です。

この原稿を書いているのは2020年9月初旬。感染者数は青天井で増え続けているものの、重症者数や死者数は爆発的に増加しているとは言えない状況が続いています。プロ野球、Jリーグはとっくに5000人を上限として観客を入れて開催、全国の小中学校も授業を再開。安倍総理が退任会見で、新型コロナウイルス感染症に対する法運用を見直すと示唆しました。収束に向けて微かな光が見えかけている、といえなくもないようにも映ります。

とはいえ、イベント開催の5000人制限は9月末まで延長され、さらに秋から冬にかけては季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されるなど、好材料も悪材料も、次から次へと生まれているように思えてなりません。

このような状況で、音楽イベントはどうするべきか。率直なところ、考えても考えても、答えは出ません。スタッフの中でもさまざまな見解があり、まとまりません。参加者もきっと同じでしょう。

8月以降、ちらほらと大型の音楽イベントも観客を入れて開催する例が増えてきています。10月以降の全国ツアーを新規に発表したアーティストもいます。中小のライブハウスやショーパブでは、すでに通常営業を続けているところも少なくありません。

けれど、彼らと違い、東京バンド研究会の運営主体は、もともと収益を目的とはしていません。だから、開催しなくても、運営主体が倒産したり、再起不能になることはありません。レギュラー会場のライブハウスは当然かなりの痛手だそうですが、まだ踏ん張っていただいています。

現状では、悩み、迷い続けることが答えだ、というしかありません。けれど、近い将来、必ず再開します。いつになるかはわかりませんが、いつか、必ず。

最近、東京バンド研究会の公式インスタグラムにアクセスする機会が増えました。はるか遠い昔のような、けれど振り返ればすぐそこにあるような、確かな記憶。いまは、忘れないように、大切に抱えておく時間にしておきたいと思います。